姫路城に行ってきました。
現存12天守のひとつで、日本100名城(No.59)に選ばれた、兵庫県姫路市にあるお城です。
※プライバシーに配慮し、一部写真を加工して掲載しています。あしからず。
何度か訪れている姫路城ですが、このたびの訪問は新発見がいっぱいでした。
外曲輪と中曲輪とを仕切っていた中濠の中央にあった中ノ門跡です。高石垣は、櫓門跡でしょうか。
どうやら中濠跡には、ほかにも門跡と石垣が残されているようで、機会があれば全部見て回りたいものです。
ここから、お城の主要部へ向かいます。
家老屋敷跡公園から、高くそびえる天守が見えます。
桜門橋手前からも、もちろん天守は見え続けています。
大手門をくぐると……。
見渡す限り広がる城郭。その規模にまず、圧倒されます。
現在は絶好の撮影スポットでもある三の丸広場ですが、当時は御殿が建ち並んでいたようです。
有料エリアへ入る前に、三の丸の北側、下山里丸へ向かいます。
上山里丸の下段には、古い石垣が残っています。説明板によると、秀吉時代の最も古い石垣だそうです。
上山里丸上段の石垣はより新しい時期に築かれたのか、チの櫓を支える石垣の隅部は美しい勾配です。
入場券を買い、有料エリアへ入ります。
坂を上ると、「国宝姫路城」の看板が掛かる巨大な櫓門が立ちはだかります。菱の門です。装飾のある火灯窓がゴージャス。
菱の門の右手には、天守がまだ遠くに見えます。
菱の門をくぐると、石垣に囲われた四角い池が現れます。三国堀です。奥の石垣をよく見ると、中央に隙間を埋めたような痕跡が見えます。
三国堀の前を通り、東へ歩きます。
石垣をくり抜いたようなこちらは「るの門」跡。隠し通路のようで心躍ります。当時は門扉があったそうで、しっかり礎石が残っています。
るの門手前には継ぎ目のある石垣があります。継ぎ目より左側の石垣は後に継ぎ足されたようです。三国堀もそうですが、改修の跡がはっきり分かるのは面白いですね。
るの門から一旦引き返し、西の丸へ向かいます。
西の丸南門跡です。説明にある礎石を確認できて嬉しいです。
武者溜りです。当時は南門に接続する建物があったそうです。
坂を上れば、西の丸です。かつては御殿が建っていたようです。写真奥に、建物が見えます。
とっても長い多聞櫓があります。百間廊下です。
え?この中、入れるの??
なんと、入れちゃいました。すげー!
写真奥の扉の向こうが、ワの櫓です。左奥の階段を上ってきました。
西側(城外側)には、狭間や石落しがあります。
城内側には、潜り戸付きの扉が設けられています。
石落しの説明です。
階段を上ります。
消火栓も木目調です。
「レの渡櫓」とあります。
階段を上りながら、長い廊下を歩いていきます。
後から見返すと、建物の構造が分かるような写真をもっと撮っておくべきだったと思います。
狭間の説明です。
女性を守る大戸さん。
片側に部屋がずらりと並ぶエリアに入ります。がらんとした部屋ですが、展示がしてある所もありました。
窓から天守が見えます。
へえ、雨水抜き! いろいろ考えられてますねえ。
カーブしています。
姫力をいただいておきましょう。
ここにも扉。
なおも廊下は続きます。
上れませんが、上にも何かありそうです。
部屋が連続していたのは、長局だったようです。
百間廊下の終点には、化粧櫓があります。
化粧櫓付近から天守は、このように見えます。
千姫の休息所だったという化粧櫓の内部は畳敷きで、居館のような佇まいです。
千姫様(の人形)が座っておられました。
化粧櫓の脇から、外へ出ます。
百間廊下巡りは、とても興味深く楽しいひとときでした。
化粧櫓のすぐ東が北門跡で、ここにも礎石が残っています。
外から見た化粧櫓です。
西の丸にもこれだけの建物が現存しているのは、本当に素晴らしいですね。
様々な狭間が並んでいます。
西の丸を出て、いよいよ天守に向かいます。
「いの門」です。人がいるおかげで、門の大きさがよく分かります。左手の塀からじゃんじゃん狙い撃ちされそうですね。
いの門をくぐった所にある井戸です。水は、大事です。
いの門を越えたら正面に見えるのが、よく似た大きさの「ろの門」です。ここまでで気付いたでしょうか、姫路城の菱の門から先の門にはしばらく「いろは順」に名称が付けられているのです。
ろの門を越えた先で、西の丸北門から通じる道と合流します。左へ行けば西の丸(※訪問時は通行止)ですが、天守に向かうために右へ進みます。
はの門南方土塀とは、写真右のずらりと狭間が並んだ塀です。
はの門までの道は狭く、一度に攻め入れない構造になっています。
「はの門」です。櫓門となっています。
転用石が多いのも姫路城の見所のひとつです。
はの門の礎石には、石灯籠の基礎が転用されています。
はの門をくぐると、左手高石垣の上には何やら複雑な形状の櫓が見えます。天守も、ずいぶんと近くに見えてきました。
左の石垣に見える穴は、排水口でしょうか。
道は坂を上りながら180度曲げられ、ふたつ前の写真で左手に見えていた高石垣の上へと続きます。そして道の突き当たりには櫓。しかし行き止まりではなく…。
櫓には扉が開かれ「にの門」とあります。なんと、先ほど下から見えていた櫓は門も兼ねていたのです。
にの門をくぐると、道は櫓内部で直角に曲げられ、身を屈めないと通過できない狭さ。これでは攻め手の勢いが大きく削がれてしまうでしょう。天守はまだ先だというのにこの強固な守備…姫路城おそるべし、です。
とても可愛らしくコンパクトな「ほの門」です。小さいながらも、鉄板張りで頑丈そうです。
ほの門を越えると、目の前には天守台。左に直進ルートがありますが…ぼやぼやしてると、天守の石落しや狭間から集中砲火を浴びそうです。
ほの門から1右へUターンすると、写真の門があります。「水の一門」です。片開きの門というのも、あるんですね。
ここから先の門は、いろは順ではなく水シリーズとなります。水の手へ通じているから、でしょうか。(水の一門の向こうには、櫓内部に井戸があります)
水の一門を越えて天守台に沿って曲がると、すぐに「水の二門」が見えます。水の一門と同様にとても小さな門で、右隣の櫓からも攻撃されそうです。
まだまだ続く水シリーズ、「水の三門」です。ほの門同様、埋門形式です。
水の三門をくぐると、大天守の五層の屋根が! でも、まだ入れません。
右折したところに、「水の四門」です。くぐるとすぐ左折、また左折。
ついに天守建物への入口か、「水の五門」。
ところが左折すると水シリーズ最終関門「水の六門」です。四門~六門は連続枡形のような構造となっており、天守への入口だけあってひときわ強力な防御です。
とうとう、ようやく、天守に入ることができました。
まずは、大天守から。
一階です。たくさんの観光客でごったがえしています。
地階からここまで来たはずですが…地階の写真がひとつもありません。
一階説明板です。平面図・断面図と、見所が紹介されています。
見所自体にもそれぞれ案内板が掲示されています。
見るからに頑丈で厳重な扉です。どうやら、先ほど通ってきた水の五門上部の渡櫓へ通じているようです。
ずらりと並ぶ武器ラック。
二階です。
休憩所と化している破風の間。
武具庫です。
三階です。
踊り場付きの階段があります。
踊り場から、三階を見ます。
踊り場にも武器ラック。
四階です。だんだん狭くなってきます。
高窓、ありますね。
石打棚の下部に、内室への扉が見えます。
五階です。この上が、最上階です。
至る所に、武器ラックが存在します。
やってきました、大天守六階。最上階です。
姫路城の守り神、刑部姫こと長壁大神です。ありがたや、ありがたや。
天守からの眺望はこれ1枚しかなく、構図もイマイチです。
下りながらも、あれこれ見ていきます。
大天守を支えてくれる、大柱です。
入れないけれど、入ってみたい場所がいくつもあります。
天守内に攻め入ってきた敵を、この武者隠しに潜んで、下の狭間から狙い撃つことを想定されて作られた、非常に珍しい区画……と解説されていました。
大天守の出入口は、内側の鉄扉と外側の白い扉の二重になっています。
図のように、姫路城は大天守と三つの小天守が渡櫓で連結された、連立式の天守です。
台所櫓が見えているようですが、入ることはできません。
総構をまるっと再現した模型です。凄まじい…!
天守建物群を出る時に、ふと気になって撮影したようです。
おそらくハの渡櫓地階へ通じる扉で、この先にはなんと、トイレがあるようです。
連立天守から、外へ出ます。
天守を出て、備前丸へ下りる途中、西の丸方向を見ます。広大なエリアに、建物がよく残っていることが分かります。
天守台の東側に接続する折廻櫓です。現在はL字型ですが、かつては天守台に沿うように櫓が伸び、コの字型に折れ廻っていたようです。
折廻櫓の東には、備前門があります。
こちら備前門の転用石はなんと、石棺です。すっぽりはまってます。
備前門を出てすぐ北の、ここから先は入れませんでした。
こちらも入れず。にの門のような建物下をくぐる階段の先、とっても気になります…!
太鼓櫓付近の石垣にある妙に四角い石も、気になりすぎます。
上山里丸へ向かいます。
備前丸東の細長い曲輪から上山里丸へ通じる、りの門です。
りの門を越えた所の、備前丸の石垣です。ビミョーな勾配。
チの櫓付近に展示された石棺の説明で、先ほどの妙に四角い石の謎が解けました。こちらの転用石が修理で外された後に代用ではめ込んだ加工石だったのですね。
櫓部分が二階建てになっている非常に珍しい三層の櫓門、「ぬの門」です。
ぬの門に接続する櫓には、石落しが見えます。
ぬの門を越えた所にある、美しい扇の勾配を描く備前丸の石垣です。
その隣にある石垣は、言われてみれば、人の顔に見えなくもない、というか。
締めは、超絶美しい天守を、色んな距離、色んな角度から。
もはや、言葉が出ません。幾度の災禍を乗り越え、これだけの城郭が残ってくれたことに、ただ感謝します。本当に素晴らしく、大好きなお城です。
素敵なお城でした。ありがとう。