お城訪問

オッサンがお城を見てはしゃぐブログ

  • 2023/4/23 デザイン変更(テーマ「Minimalism」)
  • 2024/3/11「81.高取城(その2)」(2019/5/5訪問)の記事をアップ

9-2.明石城

明石城に行ってきました。

日本100名城(No.58)に選ばれた、兵庫県明石市にあるお城です。

 

※プライバシーに配慮し、一部写真を加工して掲載しています。あしからず。

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JR明石駅から見る明石城の顔、全国的にも貴重なふたつの現存三重櫓です。

 

駅の北口から出て、明石公園の正面入口へ向かいます。

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正面入口の土橋と門の東側石垣です。

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門石垣の東側は土塁のようですが、よく見ると基部に石垣があります。

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入口にある明石公園の碑は、松の木にハグされています。

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太鼓門跡です。明石城三の丸へと入る正門であり、現在は明石公園の正面入口です。見事な枡形が残っている……のですが、この日は菊花展覧会が開催されており、正面奥に見えるはずの石垣がテントで隠れていました。

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入口左右の石垣間には高麗門「定ノ門」があり、それを越え枡形を右へ曲がると櫓門「能ノ門」があったようですが、現在はいずれの門も失われ、定ノ門石垣上には灯籠が置かれています。

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能ノ門跡を越えた所にある案内板背後の立派な石垣は何なのか、石垣へ上るためと思われる雁木が何故地面からではなく低い石垣上から設けられているのか(武装した兵は雁木へ上りにくそう)、入口周辺から色々と気になります。

 

いったん太鼓門から出て、お堀沿いを東へ歩きます。

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噴水と石垣のコラボレーションです。奥に見える石垣は、三の丸南東隅です。

当時はさらに南側にも堀があったらしく、ここは中堀にあたるようです。

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三の丸南東隅には虎口があります。東不明門跡です。

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こちら枡形というか喰い違い虎口というか……どこにどの向きで門が建っていたのでしょうか。うーむ。

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このひとつ前の写真で左に見える石垣の脇には雁木があり、ここに櫓門があったのかもしれません。ごみは持ちカエル。

 

東不明門跡から、三の丸に入ります。

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武蔵の庭園です。明石城には宮本武蔵が作庭した樹木屋敷が山里曲輪にあり、それを三の丸に再現した庭園だそうです。

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庭園内には茶屋があります。坤櫓と一緒に撮影すればかなりEDO気分ではないでしょうか。でも左のパラソルがちょっぴり余計かもしれません。

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太鼓門跡すぐ北にある「とき打ち太鼓」です。なにやらロボな雰囲気のSAMURAIが太鼓で時刻を知らせてくれるようです。かつては太鼓門の櫓門「能ノ門」に時を告げる太鼓があったようです。

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太鼓門跡すぐ東にあるサービスセンターです。100名城スタンプはここで押せます。

 

東不明門付近まで戻ります。

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三の丸東側には、かなりの高さで土塁が続いています。この東土塁上には当時、上ノ櫓が建っていたようです。

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北へ歩くと、帯曲輪の石垣が見えます。張り出し部は、帯曲輪へ上る石段が設けられている所でしょうか。

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三の丸の北東、古そうな石段の奥に、新しそうな整った石段が見えます。

 

奥の整った石段を上ります。

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石段を上ると、帯曲輪です。東の丸南側から、西方向を見ます。

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帯曲輪から見る、東の丸南石垣です。高い!

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帯曲輪の南東隅を見ます。帯曲輪は、主郭部の南側から東の丸東側にかけてあり、南東隅~東側にかけては外側に石垣の壁が築かれ、守りを高めています。

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帯曲輪東側の石垣には、雁木が設けられている箇所もあります。

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高石垣に左右を囲まれたこの景色! 石垣フェチの超うっとりポイントです。

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坂道を上ると、左手に東の丸への出入口、右手には城外側の出入口が見えます。右手石垣の手前には、雁木があります。

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こちらは西側の、城外側へと通じる虎口「出ノ門」跡です。石垣の間に、門があったのでしょうか。

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城外側から、出ノ門跡を見ます。枡形虎口となっています。

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出ノ門の南には箱堀があります……が、草木が茂りまくって全然見えません。

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ここの雁木は、箱堀方向への迎撃用でしょうか。

出ノ門跡から城内へ入り、東の丸へ向かいます。

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出ノ門すぐ東にある、天ノ門跡です。ここから東の丸へ入ります。

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東の丸内は、公園化しています。

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天ノ門すぐ北西にある、真ノ門跡です。
このあたり、出ノ門・天ノ門・真ノ門と近距離で虎口が三つもあり、見所です。

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虎口石垣の雁木を上ってみます。

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石垣上から、真ノ門の枡形虎口を見ます。

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西を見ると、東の丸北面の高石垣が続いています。

真ノ門跡から、東の丸を出ます。

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虎口を北へ抜けると、東に薬研堀が……って逆光まぶしすぎです。

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改めて、薬研堀です。見えている石垣は出ノ門北側のもので、隅には「弁ノ櫓」が建っていたようです。

虎口から北へ歩き、西へ曲がります。

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道の南に、石垣の残骸のようなものと、奥にはきちんとした石垣が見えます。

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虎口のようですが、北の丸南側に設けられた仕切門の跡でしょうか。
北の丸には行かず、この虎口を抜け、桜堀へと下りていきます。

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東の丸~二の丸の高石垣に見とれてしまいます。

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左が二の丸、右が本丸です。右の男性と比べれば、石垣の高さが分かるでしょうか。

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本丸北東隅です。この石垣上にはかつて、艮櫓が建っていました。

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当時こちら側から二の丸へ上がることはできなかったようですが、今はこのように、石段が設置されています。

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石段の途中から二の丸北西石垣を見ます。隅が高くなっており、いかにも櫓が建っていそうな形状ですが、絵図などを見ても、ここには櫓はなかったようです。むむむ。

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後付け石段を上ったところです。正面と左の石垣を見れば、後世の改変だとよく分かります。

 

東の丸に戻ります。

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東の丸南東隅です。「角ノ櫓」が建っていたようで、石段と、高くなった石垣が見えます。

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東の丸南西隅です。石垣が崩れて道が出来ていますが、当時この石垣はつながっていて東の丸と二の丸を仕切っていたらしく、もともとひとつの曲輪を仕切り石垣により東の丸と二の丸に分断したようです。

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北側には東の丸と二の丸を仕切る石垣がしっかり残っています。石垣の間には「方ノ門」があり、石垣北端には「礼ノ櫓」、方ノ門の南には「貞ノ櫓」が建っていたようです。

方ノ門跡を越え、二の丸に入ります。

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二の丸も、東の丸と同じく、公園化しています。

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案内板には現在地と公園施設の名称があるだけで、史跡の構成物は挙げられていますが、二の丸や史跡についての説明は見当たりません。

 

本丸へ向かいます。

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二の丸と本丸をつなぐ土橋です。土橋両脇の低い石垣上には、土塀があったのでしょうか。土橋の先には石垣があり、直進できない構造になっています。

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本丸東虎口には「番ノ門」があったようです。石垣からすると、巨大な櫓門だったのでしょうか。

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番ノ門南石垣のすぐ南には、巽櫓が見えます。

 

訪問時、巽櫓が内部公開中でした。

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少し時間が早かったけれど、係員の方が入れてくれました。

そして100名城スタンプをここで押させてもらえました。

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藤井松平時代の絵図と、十二支による時刻・方位、そして手書きテイストな絵図です。

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近くから見上げます。城内側には窓がなく、のっぺりしています。一階の瓦には、桐紋が見えます。

中に入ります。

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古い柱や梁、急な階段が見えます。修理前に使用していた部材などが展示してあるようです。二階より上には、上がれません。

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係員の方に教えていただいたおすすめポイントからの撮影です。櫓の中からしか見られないアングルからの本丸南面石垣と土塀、そして坤櫓! これは絶景!

 

巽櫓を出て、本丸を歩きます。

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本丸内も公園化していますが、三重櫓があることで東の丸や二の丸より断然、お城感が強いです。かつて本丸御殿があったようですが、寛永八年に焼失して以降は再建されず、藩主は三の丸に御殿を構えたようです。

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ここでようやく、城跡に関する説明板を見つけました。本丸の北東にある艮櫓跡です。

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艮櫓の説明板がもうひとつ。なんと、学校建築用材として解体されたそうです。もったいない!

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かつて本丸の四隅に建っていたという三重櫓のうちふたつが現存、そして残るふたつは失われており、こちらが失われたもうひとつの三重櫓・乾櫓跡……のはずですが、何故かこちらには説明書き等が見当たりません。うーん?

雁木から、櫓台に上ります。

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乾櫓台です。南方向に石垣が続いています。

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南に伸びる石垣上を歩くと、途中に雁木があります。

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さらに南へ歩くと、天守台に到着です。

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天守台から見下ろした坤櫓です。この高低差!

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天守台北東に設けられた雁木を下ります。

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この立派な天守台に、もし天守が建てられていたとしたら。それはきっと、このそびえ立つ大木よりも大きな、美しく見事な天守だったことでしょう。

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坤櫓は城内側にも窓がありますね。唐破風の上の千鳥破風がチャームポイントです。最上階の屋根瓦に見える家紋は、小笠原家の三階菱でしょうか。

訪問時は巽櫓のみ公開中でしたが、ツアーか何かの人たちが坤櫓の内部観覧をしていました。

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本丸北虎口です。ここには「見ノ門」があったようです。

 

見ノ門跡から、本丸を出ます。

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本丸北面石垣を見ながら、坂を下ります。

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長い坂を下りたところに、虎口があります。稲荷曲輪から北の丸方面への虎口で、「万ノ門」が建っていたようです。

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万ノ門跡の外側(北)に、鉤の手状に張り出して虎口を防御する石垣があります。東不明門と似た構造ですね。

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北の丸側から、万ノ門跡を見ます。左奥の石垣は、乾櫓台です。

 

本丸の西にある、稲荷曲輪を歩きます。

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石垣手前の低い石垣は、崩落防止の補強用でしょうか。

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天守台の北西隅です。綺麗な加工で、表面仕上げもされているように見えます。

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稲荷曲輪の南西隅には二重櫓「正ノ櫓」が建っていたようです。

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稲荷曲輪から本丸直下、南の帯曲輪に通じる虎口です。

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坤櫓台の西にも、低い石垣があります。

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稲荷曲輪の南面石垣です。手前に犬走りのようなスペースがあります。

 

本丸南の帯曲輪を歩きます。

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坤櫓を、南西から見ます。

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そびえ立つ櫓、どっしり広がる石垣。この角度から見上げるの、たまらんです。

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坤櫓台には南東にも低い石垣があります。これだけの高石垣を維持するには、補強が必要だったのでしょうか。

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巽櫓を見上げます。隅石に刻印が!

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漆喰の剥落が痛々しいですね……。

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帯曲輪より、二の丸へ通じる石段です。

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二の丸の南西、貞ノ櫓台です。石垣の隅が美しい勾配を描いています。

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石段は二の丸から帯曲輪、その下の三の丸まで通じています。

 

石段を下り、三の丸を西へ歩きます。

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公園の西入口、西不明門跡です。枡形石垣を壊さず、道路の方を曲げてあるのが良いですね。

西不明門跡から外へ出ます。

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お堀と石垣の醸し出すお城感、です。

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中堀、広いです。右手には、長屋門が見えます。

 

締めくくりは、現存櫓です。

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三の丸からズームした、巽櫓です。

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ズームした坤櫓は、角度を変えて2枚。

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一見同じように見えて、細部が異なり、さらには建っている向きも90度違うという、ふたつの三重櫓。よくぞ今まで、残っていてくれました。

 

2回目の訪問は縄張りを意識しながら広い範囲を見て回り、おおよその構造がつかめたこと、広範囲に石垣が残っているのが分かったことが大きな収穫でした。東西に連なる本丸~二の丸~東の丸の高石垣は実に素晴らしいです。

ただ、城郭遺構に対する説明が乏しく、物足りなさを感じてしまいます。「ここに何があった」のかを記してくれるだけでも、想像しやすくなるように思います。

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日本100名城スタンプラリー、こちらで12城目となります。

 

素敵なお城でした。ありがとう。