お城訪問

オッサンがお城を見てはしゃぐブログ

【更新履歴】

87.湯築城

湯築城に行ってきました。

日本100名城(No.80)に選ばれた、愛媛県松山市にあるお城です。

 

※プライバシーに配慮し、一部写真を加工して掲載しています。あしからず。

湯築城の東にある石手寺は城主・河野氏の庇護を受けて栄え、城の東にあった切抜門はもともと石手寺の門だったと伝わります。四国八十八ヶ所霊場の第五十一番札所としても有名なお寺です。

境内には鎌倉時代に建てられた国宝の仁王門や、立派な三重塔などがあります。

 

お城へ向かいます。

子規記念博物館の東から城内へ入ります。ここは外堀の東北隅付近ですが、切抜門はこのあたりに建っていたのでしょうか。左に少し外堀が写っていますが、さらに左には湯築城外堀の大きな特徴である「鬼門欠け」があるのですが……訪問時は知らず、スルーしてしまいました。

北側内堀の、このあたりで内堀と外堀の間が最も狭くなっているらしいのですが……内堀は公園化により堀らしさが失われ土塁は消失、右手(写真外)に建つ子規記念博物館により外堀は完全消失と、現地では狭くなっている様子を体感できませんでした。

内堀内側の丘陵北側縁辺部を西へ歩いていると思われるのですが……後から見返してよく分からない写真を残しては駄目ですね。反省。

明治期まで使用されていた湯釜は、なんと千二百年以上前に作られたと伝わる貴重な石造物。内堀内側、丘陵縁辺部の北西隅に展示されています。

湯釜には河野氏によりいくつか手が加えられており、よく見ると本体には文字が刻まれています。

公園北口付近にある説明板です。城跡は明治期に道後公園となり、動物園などがあったようですが、国史跡に指定され、南側では発掘調査に基づく整備をされています。案内図を見ると、一部を除き今も二重の堀に囲われていることや、外堀北東隅が鬼門欠けとなっている様子が分かります。

 

外堀沿いに南へ歩き、西口(搦手)へ向かいます。

公園北口周辺の外堀は埋められていますが、駐車場より南側ではよく残っています。

やがて、ひときわ高く築かれた外堀土塁が見えてきます。

ここは搦手ですが、道後公園としてはメインゲートの扱いで、いくつも看板が立っています。のぼり上部には河野氏の家紋「折敷に三文字」が見えます。

江戸時代の絵図から、外堀西側の虎口が搦手と考えられています。

駐車場の車と比較してみると、土塁の大きさが分かります。

門跡の内側に説明があります。発掘調査により搦手門は改修が確認され、外堀に架かる橋は木橋から土橋になったようです。

搦手門跡を越えてすぐ右に、湯築城資料館があります。なんと、入場無料。

100名城スタンプは、館内で押しました。

館内には、土坑の復元や出土品の展示があります。猫の足跡のある皿、面白いですね。

模型は、現在の様子を表しているようです。

 

資料館を出て、南側の復元エリアを見て回ります。

屋敷を区画する土塀が復元されています。土塀の断面が見えていますが、粘土ブロックを積み上げて作ったという構造までは確認できません。発掘調査では、基礎部分の石列が検出されたそうです。

屋敷の入口には、門が復元されています。

復元された「武家屋敷1」です。発掘された礎石には、柱の跡が残っていたそうです。

建物内の様子も再現されています。こちらは、連歌を楽しむ武士たちと僧侶です。

隣の台所では、使用人が茶を点てる準備をしています。

屋敷の南にある、用途不明の円形石積遺構です。

円形石積遺構の南には石組水路と思われる溝が東西に延び、西側では池のように広くなっています。

屋敷の東には、内堀と内堀土塁が続いています。

武家屋敷1の南東にある、復元された「武家屋敷2」です。

武家屋敷2の内部は、展示施設として活用されています。

どうやら内部の間取りについて案が絞り込めず、展示空間となったようです。

復元武家屋敷は瓦葺ではありませんが、瓦が出土しており、城内に瓦葺の建物があったようです。

武家屋敷2の南側では、排水溝は道路の外側、土塁の基部に沿っていますが……。

すぐ東側では排水溝は道路を横断し、道路の反対側に続いています。

奥の土塀断面は、粘土ブロックを六段積み上げた構造がよく分かりますね。土塀の脇に延びる排水溝は、道路脇のそれとつながっています。

 

これまで家臣団居住区を見てきましたが、ここから東側は庭園区・上級武士居住区となります。

外堀土塁・道路・排水溝が直線的に並んでいます。説明板手前の左へ折れる排水溝は、先ほどの土塀の脇につながっています。

発掘された庭園の池が復元されています。大きな池を眺めつつ寛ぐひととき……上級武士の暮らしぶりが垣間見えますね。

池の向こうの道路から、土塁の上へ行ける見学路が設けられていますが、スルーしてしまいました……。

池の北にある城内最大の土坑は埋め戻され、一部は資料館に復元されています。

池の東に建つ東屋は、庭園を臨む建物をイメージしたものでしょうか。盛大な宴を、想像してみます。……が、市街地にある城跡ゆえ、どうしても周囲のマンション等が写り込んでしまうのが、少し残念です。

庭園区・上級武士居住区の南側、外堀土塁の最も保存が良い部分を断ち割り、土塁展示室が設けられています。

左には、土塁の築造過程と土塁模型の構築工程、土塁断面図があります。

右には、土塁断面の剥ぎ取り模型があります。土塁の断面を見られる貴重な展示室です。

南東角には、土塁内側に築かれた石積の「裾石」と、角に沿って折れ曲がる道路・排水溝などが復元されています。

土塀基礎も復元されていますが、ここでは土塀本体は復元されていません。

内堀土塁裾の排水溝を壊して掘られたという、土坑が復元されています。

土坑の北、内堀の向こうには、素晴らしい天然の岩肌が!

これだけの規模の庭園を人工で築くのは大変ですが、自然に存在するとはなんという贅沢! 城主自慢の景色だったのではないでしょうか。

土坑の南には建物跡と思われる方形の区画や、土塀基礎があります。これらの建物で宴が催され、武士たちは立派な岩肌を見ながら、酒を楽しんだのでしょうか。

大手の南、外堀と内堀の間隔が最も狭いポイントに築かれ、上級武士居住区を防御する遮蔽土塁です。

これまで見てきた排水溝などは埋め戻された遺構の上に復元されていますが、遮蔽土塁の南と東を区画する排水溝は実物遺構が展示されています。そのため、右側の道路や排水溝より低い位置にあります。

遮蔽土塁と外堀土塁の間には、門があったと考えられます。

大手側から見ると、確かに遮蔽土塁が上級武士居住区をブロックしています。

歩行者と比較すると、遮蔽土塁や外堀土塁の規模が分かります。外堀土塁の基部には、裾石が巡らされています。

 

復元区域を抜け北へ進むと、東に大手があります。

道後公園の東口が大手とされ、大手門があったと考えられていますが、発掘調査は行われていません。

東口の外側から、大手門跡を見ます。東口の北は外堀が一部埋められていますが、さらに北側では外堀が残り、鬼門欠けが見られます。

大手土橋から、南側の外堀を見ます。

土橋を渡ると外堀土塁の右に、大手門が建っていたのでしょうか。土塁の土留め石垣は、後世に築かれたものと思われます。

 

内堀の内側にある丘陵部へ向かいます。

遮蔽土塁の西、丘陵部の南東に、岩崎神社の鳥居があります。大蛇にまつわる伝説があり、河野氏も祀られています。

競技場の観客席のような、上方へ扇形に広がる石段状の構造物が謎です。神社の石段脇にこのような物があるのは珍しいように思います。祭祀に使われたのでしょうか。

石段を上ると、木々の間から復元区域の上級武士居住区が見えます。おそらくここは、あの見事な天然の岩肌の上だと思われます。

神社を撮影していませんが、丘陵部のさらに上を目指します。

丘陵部の最高所には展望台があるので、上ってみます。

展望台からの眺望、まずは東です。左側、緑屋根の旅館建物を囲むように下~右側に外堀の鬼門欠けがあるのですが……写真では分かりにくいですね。中央やや右の奥には河野氏に縁の深い寺院「義安寺」が見えます。石手寺はさらに東で、ここからは見えません。

北です。手前に本壇・杉ノ壇と曲輪が連なっています。奥には道後温泉本館があるのですが、ここからは見えません。

そして南西に見えるは勝山、その山頂には……。

松山城天守の姿が、しっかりと見えました。

展望台から一段下がった曲輪に、「本壇」の説明があります。発掘調査では、目ぼしい成果は無かった模様です。

展望台のある最高所と、説明のある腰曲輪を合わせて、本壇ということでしょうか。

さらに下った所にある「杉ノ壇」です。丘陵部では最も広い曲輪で、発掘調査では鍛冶場が見つかっています。

「伊予湯築古城之図」です。外堀の南側にも門が描かれていますが……昔は在ったのでしょうか。

左奥が本壇で、展望台もチラリと見えています。

杉ノ壇から下りていきます。

この石積は……お城とは無関係でしょうか。

内堀西側に架かる土橋から、南の復元区域を見ます。うーん、背の高いマンションが……。

資料館脇の土塀は、粘土ブロック八段です。資料館の位置にも、武家屋敷があったのでしょうか。

 

道後温泉に近い市街地に、戦国期の城跡がこれほど残っていることに驚きました。南側では復元整備が進み、土塁断面など見応えある展示もありました。機会があれば、次は周辺住宅が写り込まない角度での撮影を頑張りたいと思います。

日本100名城スタンプラリー、こちらで56城目となります。

 

素敵なお城でした。ありがとう。