お城訪問

オッサンがお城を見てはしゃぐブログ

  • 2023/4/23 デザイン変更(テーマ「Minimalism」)
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60.知覧城

知覧城に行ってきました。

続日本100名城(No.198)に選ばれた、鹿児島県南九州市にあるお城です。

江戸初期までに廃城となったようですが、麓には外城時代の武家屋敷が今も残ります。また先の大戦期には特攻基地があったらしく、旧陸軍関連施設の跡地も多いようです。

続日本100名城のスタンプはこちら、ミュージアム知覧で押しました。

城跡を目指して歩きます。

第二番組稽古所跡、とあります。旧藩時代とあり、江戸期のものでしょうか。ここより東には、伊豆殿屋敷と呼ばれる曲輪があったようです。

さらに歩くと、標柱を見つけます。縄張図によると、このあたりは小谷大手口とされ、写真左手前が西ノ栫、中央奥が蔵之城など城郭中心部のようです。

蔵之城北側にある駐車場です。右手に、立札が見えます。

写真と縄張図入りの立札によると、中央に見える山が式部殿城のようです。これは分かりやすくてありがたい説明ですね。

駐車場を東へ歩くと、石に埋め込まれた大きな説明板があります。

説明文はお城の歴史がメインで、その他縄張図・模式図や航空写真、発掘出土品の写真などがあります。

で、この立札は一体どちらを指しているのでしょう……?

ここは蔵之城と本丸の間の空堀と思われますが……まさか。

いや、ここはさすがに、無理です。

車道に沿って東へ歩いたところ、普通に入口を見つけました。ですよね……。

蔵之城では、法面の補修工事中みたいです。

横穴がありますが、戦時中の防空壕の跡でしょうか。

蔵之城は工事中のため、道が封鎖され、立入禁止となっています。

蔵之城と本丸の間には広い曲輪があり、本丸への虎口があります。

 

本丸へ向かいます。

道は大きくカーブし、虎口の両脇は土塁により狭められています。

虎口を抜けると、本丸です。

城趾碑が立っています。

本丸虎口を振り返ります。

本丸の周囲は、土塁で囲われています。

一部、土塁と本丸地表面が削り取られたような箇所があります。トレンチ調査の跡だったりするのでしょうか。

ほかにも微妙な凹凸がありますが……建物跡だったりするのでしょうか。

本丸を下ります。

蔵之城には入れないので、他の曲輪へ向かいます。

曲輪間の堀底道を歩くと、立札が見えてきます。

主郭部入口、とあります。

どうやら、主郭部にある四つの主要な曲輪の中間地点あたりにいるようです。

まだ訪れていない弓場城・今城へ向かいます。

こちらが弓場城……だと思います。写真右手、わずかに土塁と思われる高まりが見えます。

木が少ないので、削平地がとても広く感じます。

虎口の両脇は、土塁で守りを固めています。

そしてこちらが今城……だと思います。縄張図では本丸より広いように見えますが、木が多いので、写真だと弓場城の方が広く感じます。

虎口の土塁は、直進できないよう折り曲げられています。枡形ですね。

今城虎口までの道は細く、ヒヤヒヤしながら下ります。
どこまでが弓場城でどこからが今城の写真なのか、後から見て分かりやすいように撮影すべきでしたね……反省です。

堀底道へ戻ります。

枡形虎口です。ここが蔵之城・本丸方面への正式な出入口でしょうか。

またも防空壕らしき横穴を見つけます。

城跡を出ます。

「お茶むらい」が徐行のお願いをしています。

丁字路に出ると、城跡を示すサインがいくつもあります。ここから南西にあるのが、東ノ栫という曲輪です。

この白っぽいのがシラスでしょうか。知覧城は、シラス台地に築かれた城郭です。


麓へ向かいます。

知覧の麓に残る武家屋敷群は、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

薩摩の小京都、です。庭園には、国の名勝に指定されているものもあるようです。

チケットを購入し、武家屋敷通りへ入ります。

通りに入ると、石垣と生垣で区画された道がまっすぐ伸びます。

御仮屋跡は現在、藤棚公園になっています。

この立派な門構えは、御仮屋の名残でしょうか。

麓マップと見どころ紹介です。って、んん? 知覧「麗」の見どころ、知覧市街地(「麗」)マップって……タイトル2ヶ所も誤字ってるのはちょっと。確認、大事です。

それでは、武家屋敷庭園を見ていきます。

まずは西郷惠一郎氏庭園です。両脇に小屋根の付いた門がカッコいいですね。

枡形虎口に由来するという、石垣によって直進できない厳重な入口です。

ここを右へ曲がると……。

屋敷の前に、庭園があります。

これは……見事なものですね。枯滝を表すというのは、写真左手の高い石でしょうか。

平山克己氏庭園です。門の形状は、西郷氏宅と似ています。

門を入ると石垣で直進できず、階段まであります。

さらに直進を許さない構造。鉄壁です。

左へ曲がると、庭へ出ます。

生垣を山に見立て、さらに向こうの山を借景としています。美しい。

この休憩所も、かつては武家屋敷だったのでしょうか。

東西に伸びるメインストリートである本馬場通りにはいくつか南北の小路がクロスしています。写真は、本馬場通りと紺屋小路の交差点です。

平山亮一氏庭園です。こちらの門は、全体に大きな屋根が載っています。

石垣と生垣で、ジグザグに進まされます。

こちらは……トイレでしょうか。

小さな門の向こうが、庭園です。

これはまた面白い。手前の生垣は波を、奥は山を表しているようです。生垣の前にずらり並んだ石が、盆栽を置くための切石でしょうか。

この脚の付いた舟形の石も面白い。手水鉢のようなものでしょうか。

ここまで直線だった本馬場通りが、大きく曲がる三叉路に突き当たります。

魔除けのための石敢当は、変わった形の石です。

稽古所跡です。城跡付近にもありましたね。

三叉路を北へ進むとある、二ツ家です。町内より移築されたもので、本来ここに建っていたものではないようです。

右の屋根に見える小棟が、知覧独特の特徴だそうです。

こちらがオモテ。

ここが接合部で……。

こちらがナカエ。

引き続き、武家屋敷を見て回ります。

ここの石垣は、味がありますねえ。

またもや、両脇に小屋根のある門です。

こちらにも、直進防止の石垣。

佐多美舟氏庭園です。このタイプの門は、格式が高いそうです。

門を入ると、立派な蔵があります。

名勝指定された七庭園の中で、最も広いそうです。

佐多民子氏庭園です。門には大きな屋根がひとつ。

こちらは直進が……できませんね。奥で道が曲げられています。

右手の石の形が、とても良いですね。中央付近には、鉢植えを置くための切石があります。

佐多直忠氏庭園です。両脇に小屋根の付く、格式高い門構えです。

入口枡形の向こうにも壁があり、とても厳重な構えです。

左へ曲がると、庭園です。

江戸期に建てられたと伝わる屋敷の中屋が復元されているようです。

時間の都合で、名勝指定された庭園すべてを回ることはできませんでした。
南九州に特徴的な中世山城遺構と薩摩藩に特徴的な外城の麓がよく残り、さまざまなタイプの見所が数多くある知覧城。今回は駆け足での訪問でしたが、またいずれ、ゆっくりじっくり回りたい城跡です。

続日本100名城スタンプラリー、こちらで5城目となります。

 

素敵なお城でした。ありがとう。