(その1の続きです)
それでは、天守内部へ進入します。
※プライバシーに配慮し、一部写真を加工して掲載しています。あしからず。
現在の天守入口は地下一階の穴蔵で、貯蔵庫だった場所のようです。
観光客用の下駄箱がずらり並んでいますが、石垣がむき出しの空間で、貯蔵庫と言われれば納得です。
階段を上ると天守一階ですが、順路はまず連立天守のほかの建物へ行くみたいです。「城史」と幕のある場所あたりまでが、内門上部の渡り廊下部分です。
廊下左右の窓からは外が見えます。
屋根を伝うパイプは、消火設備でしょうか。
内門渡り廊下から階段を下りると、玄関多聞櫓です。天守の正式な玄関にあたると思われますが、現在ここからは出入りできません。
玄関多聞櫓を過ぎ、北隅櫓に入ります。
一階には展示があり、二階にも上がれます。
北隅櫓二階です。天井の梁がごつくて素敵です。
窓から外を覗いてみます。
西側です。乾門と乾櫓、野原櫓が見えます。
北側窓からの東側…はイマイチよく見えません。
南側の窓から天守広場を見ます。ぐるり建造物に囲まれている様子が確認できます。
こちらの窓からは、天守がバッチリ見えます。
北隅櫓を出ます。
十間廊下です。
長いです。十間は約18mだそうです。本当に十間あるのか知りませんが。
重さ体験してみました。重すぎて刀に振り回されそうでした。自分にはSAMURAIは向いてなさそうです。
十間廊下を抜けると、南隅櫓です。
南隅櫓の二階には上がれません。
多聞櫓を過ぎ、階段を上ります。
階段の先が、小天守です。
「こてんしゅ」なんですね、これ。ずっと「しょうてんしゅ」って読んでました。どっちでもいいような気もしますが。
石落と狭間が隅に集中しています。
木組にもいろいろな種類があるんですねえ。
おや、梁に何か墨書きしてあります。再建工事時の覚書でしょうか。
階段を上ります。
小天守二階です。北隅櫓より広く感じます。
ここの梁にも墨書きが。
上棟式に使用された、祭祀用の弓矢です。
小天守の窓からは、素晴らしい景色が見られました。
南西方向、麓の二の丸・三の丸方面です。二の丸御殿跡の庭園が見えます。
南東方向、本丸南側です。馬具櫓・太鼓櫓が見えます。指が写り込んでいます…。
紫竹門の屋根と塀が見えます。
北側、天守広場です。方形の広場がよく分かります。
これ! この写真大好きなんです。小天守東側の、一ノ門~二ノ門の堅固な様子がとてもよく分かります。個人的松山城ベストショットのひとつです。
小天守を出ます。
筋鉄門上の渡り廊下を通って、連立天守をぐるり一周し、大天守に戻ってきました。
門のみならず、天守にも格子欄間が多用されています。
光が少ないせいか、写真がピンボケ気味です…。
二階へ上ります。足もとも頭上も注意です。
二階です。
座布団や大型テレビとの比較で広さが伝わるでしょうか。
外周には武者走がめぐっています。MUSHA以外は走っちゃ駄目です。
五角形の空間に設けられた狭間がなんだかオシャレです。
ここにも格子欄間。
床の間まであり、本当にオシャレです。
三階へ上ります。右側通行です。
三階、天守最上階です。ここにも床の間があります。双眼鏡がレトロです。
最上階からの眺めは、格別でした。
南側です。
東側です。艮門が見えます。
北側です。
そして西側、連立天守を構成する建造物群が見えます。
下ります。
一階にある畳張りの床の間付きエリアです。殿様のくつろぎ空間でしょうか。
入ってきた地下の穴蔵へ下ります。
あ! 出る時に天井に巨石発見。外の説明板(本壇配置図・本記事最初の写真)にある城内最大の花崗岩ですよね多分。たしかにでかい。
天守から出ます。
内門をくぐり、連立天守を後にします。
貴重な現存塀です。
仕切門と先ほどの内門とで枡形が形成されています。三ノ門と筋鉄門も長方形の枡形であり、天守直前の門はいずれもガッチガチのディフェンスです。
仕切門をくぐります。
こちらは三ノ門脇の石垣です。若干隙間が目立ちます。
対して、天守台石垣です。この隙間ない芸術的な石材加工!美しい…あまりに美しいです。
名残惜しいですが、天守を後にします。
小天守下の石垣の反り、たまらんです。
石樋の下部、水の流れた跡が見えます。
本壇入口まで戻ってきました。
本壇を出て、東側を歩きます。
切込ハギと打込ハギという異なる石垣の境界が見られる本壇東面の石垣です。境界は、塀に設けられた左の石落のすぐ左あたりです。
艮門と続櫓です。なかなかに複雑な形状です。
この石垣のゆるい折れ曲がりと、それに合わせた塀の造形が! たまらんです!
たくさんの金属製パイプ。これも消火設備なのでしょうか。
本壇北面の石垣がこれまたすっごく素敵で、夢中で撮影していたら小筒櫓跡や中仕切門跡を確認するのすっかり忘れてたみたいです。やっちまった。
全国唯一の現存望楼型二重櫓、野原櫓です。天守のルーツとも言われているとか。
こちらが乾櫓です。
西から見た本壇です。南北のそっくりな隅櫓が対称にそびえる様子は明石城のようでもあり、これまでとは全然違う松山城の表情が見られます。
本壇、どの角度から撮っても絵になります。
本壇外側をぐるり一周しました。
紫竹門です。背後に小天守、さらに奥には大天守も見えナイスショット。
紫竹門西塀は漆喰塗籠ですが、西に続く塀の外側は下見板張です。
本壇側から見た紫竹門西塀です。西塀は、内外両面とも漆喰塗籠になっています。
現在門の前に植えられている竹は紫竹かどうか分かりませんが、昔はここに紫竹が植えられており、紫竹門の名前の由来になったそうです。
紫竹門を堪能したところで、乾門に向かいます。
乾門東続櫓と続塀です。櫓下の石積みに合わせて塀も継ぎ足したようになっています。
東続櫓と乾門、その向こうは乾櫓です。
乾門をくぐります。
松山城、搦手も非常に立派です。
乾門を出て東側を見ます。複雑に折れ曲がる塀の形状や、はばき石垣が確認できます。
この! 乾櫓下の石垣の! 勾配が! もう、もう…っ!
建造物も見所満載なのに石垣も魅力だらけとか贅沢すぎます松山城。
乾一ノ門跡です。
乾一ノ門付近から見る、松山城搦手です。裏口からもビンビン感じる圧倒的要塞感。
本丸石垣を存分に堪能するため、本丸の外側を歩きます。
石垣に夢中すぎて、どのへんを歩いているのか全然把握できていません。上の写真、石垣に折れがあるってことは小筒櫓跡あたりでしょうか。
艮門の東続櫓…だと思います。
艮門です。周辺は工事をしている様子がありました。
どうですか…どうですかこの、果てしなく続いていくかのような長大な石垣は!
あそこに見える建物は…? え、えーと、二ノ門南櫓かな?
あっ、これは分かります! 巽櫓です。つまり、リフトを下りて最初に見た石垣まで戻ってきたわけです。
(その3へ続く)